日本語が苦手だった。
中身は大学生なのに、日本語を話したら園児になってしまうくらい苦手だった。
それにしても日本が大好きだから、日本語が苦手なまま、東京に出た。
よし、日本語を喋ろう。喋らないなら生存できないので。
しかし相手が言っていることはまず聞き取れない。
「もう一度お願いします」と言えるほどの器用でもない。
日本語なら何て言うかな?とうずうずしたら、話すタイミングを逃してしまう。
とりあえず笑ってみる。笑ったら何とかなると思ったら、何とかなった。
あるいは頑張って日本語を話す。大体微妙に変わっている日本語を言ってしまう。
そうしたらみんなが笑う。そして自分も笑ってしまう。
それが繰り返して三年間続けたら、いつの間にか「日本語が苦手」
というコンプレックスを忘れてしまった。
でもやはり、文字通り、笑えるほど、日本語が苦手だった。
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というより、そもそも話すこと、人と接することは苦手である。いわゆる人見知り。
なのに人にすごく興味を持っていて、他人を理解したい気持ちはだれよりも強い。
ねこ大好きだけど、ねこアレルギー的な。
そんな私は今、仕事で毎日色々な国の方と話し合っている。
自分よりも日本語が苦手な人が多いので、お互いに共感しやすい。
その中に、「話して楽しかったー気持ちのいい人やなー」と思われる人は、
日本語ペラペラの方もいるが、カタコトの方もいる。
しかし、共通しているところは一つ。
言葉が詰まったら、笑顔で語ること。
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ゴーリストの社員たちも、よく笑う(あるいは笑いを誘う)人が多い。
もちろん、それは人を喜ばせるための営業用スマイルではない。
「面白かった!」「楽しかった!」「おっと間違えた!」
「すみません上手く言えなかった!」の笑顔である。
素直さと謙虚さの笑顔である。
チャット上でコミュニケーションを取る時も、笑顔を大切にしているが、
そのチャットは最初、尊敬語と謙譲語の相撲大会のような堅苦しいものだったらしい。
そしてある日、初期メンバーのRicoさんが
「これはあかん!絵文字使おうよみなさん!」
と言って、率先して絵文字を使い始めた。
そうしたら仕事用のチャットが一気に華やかになり、
情報だけではなく、気持ちも伝えるようになった。
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仕事の能力はもちろん大切だが、ゴーリストが一番大切にしているのは、
気持ちのいい人でいることと、気持ちのいい環境を用意すること。
そのため、総務部の目標は「メンバーの笑顔を増やす」ことである。
それはもちろん、日々増やし続けている。
言葉にできなくても、笑顔をみせてくれよ。
仕事がうまくいかなくても、「気持ちのいい人」でいよう。
(ナガバヤシ)
【おまけ】
ゴーリストのバリューその七:気持ちのいい人
これまで色々な人に会ってきて、その中で「気持ちのいい人だな」と感じた人がいますよね。もちろん個々が思い描く 「気持ちのいい人」とは性別、過去の歩みや未来の展望などバラバラでしょう。 ただ、気持ちよくあいさつができる、素直さと謙虚さを持っている、礼儀正しい、笑顔で話すなどはおそらく共通していると思います。 そういう人はまた会いたくなるし、もっと話したくなりますよね。逆に人として気持ちよさが無いと、たとえどれだけ仕事ができたとしても、敬遠されてしまいます。 人間は感情の動物です。そして社会的な動物です。時には人に頼り、時には人を助け、心の交流を重ねていくことが生きるということに他なりません。 ですので、気持ちのいい人であるということは、自分の人生をより良いものにしてくれます。 知識と経験が増え、実績などがついてきても、いつも素直で謙虚であること、誰かにお世話になれば礼儀礼節をしっかり尽くすこと。 その心構えと行動の積み重ねを継続していくことが、「気持ちのいい人」をつくるのです。