弊社の外国人向け就職支援サービス「jopus career」は先日リニューアルされた。
「デザインかっこいい!」と社内がワイワイ盛り上がっている最中、先輩がページのヘッダー画像をみて、「この写真、髭男のPretenderを思い出したわ。しかもなんかせつない。Goodbye!って感じ」と言った。
ああ、言われてみれば確かに似ている、でもやはりなんか違うかも。とにかくもう一回MVを観てみようか。
www.youtube.comたしかにネオンカラーで背中多め。だけどMVが似ているというより、歌詞のほうが沁みる。好きな子に振られる痛みなんかもうどうでもいい。就職活動は月30回くらい振られるのだ。
一年前、就活で落ちまくっていた私にはわかる。
「Pretender」、それは純度100%の就活ソングだ。
歌詞を見てみよう。*引用は全部MVによるものです。
君とのラブストーリー それは予想通り
いざ始まればひとり芝居だ
あの会社に入りたい、という一方通行の気持ち。ダメ元とは承知だが、選考解禁になったらやっと、本当に望みがないという事実を痛感した。
感情のないアイムソーリー それはいつも通り
慣れてしまえば悪くないけど
それはつまり「お祈りメール」と名乗る、企業から送る不採用通知。「誠に申し訳ございませんが」から始まり、「今後一層のご活躍をお祈り致します」で終わる。一回目のショックは大きいが、大体の就活生は色んな企業から数十回くるので、まあ慣れたらなんとかなる。
もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
違う大学、違う専攻に入ったらよかった。それなら「学歴フィルター」(高学歴な学生の履歴書だけを通すフィルター)にかからなくて選考に進むだろう。
もっと違う性格で もっと違う価値観で
愛を伝えられたらいいな そう願っても無駄だから
やっと書類選考を突破して、面接を受けた。しかしあの言葉やあの表情はミスったな。いや、そもそも私、人見知りで面接でまともに話せなくて、気持ちが全然伝えられない。どうしよう…。
グッバイ 君の運命のヒトは僕じゃない
第一志望に落ちた。
誰かが偉そうに 語る恋愛の論理
何ひとつとしてピンとこなくて
就活本をたくさん読んでも、面接テクニックをたくさん試しても、なんか違う、と思ってしまう。
「好きだ」とか無責任に言えたらいいな
笑われるのが怖いので、友達に「あの有名企業に入りたい」がなかなか言えなくて。
そして何より一番いいのは、「Pretender」というタイトル。普段はどんなに素直で誠実な子でも、いざ就活を始まれば、Pretenderになってしまうから。
私も、Pretenderだった。
そして大手全部落ちてPretenderやめてうちの社長に拾っていただいた。
「Pretender」は素晴らしい就活ソングということが分かったが、うちの会社が「Pretender」みたいなせつない就職支援サービスを作ってどうするの!と思って、LPを作った戦車デザイナーに「なぜこの写真を選びましたか」と聞いたら、こう説明してくれた。
「今までのヘッダー画像は、たくさんの人がイエーイしている写真を使っていましたが、ちょっと嘘っぽく見えるじゃないですか。」
「本当は就活でも仕事でも、楽しいことばかりではないし、とても孤独のことでもあります。だから今回のリニューアルはそんな就職者の気持ちに寄り添って、未来に向かう外国籍の方の写真を使ってみました。」
つまり、新しいヘッダー画像に託されているのは、不安やネガティブな気持ちに対する肯定。髭男の曲にはよく出てくるし、うちの会社も大切にしている価値観のひとつである。悪い出来事があっても、進む方向がわからなくても、自分の気持ちに素直になって、ネオンカラーの、とても綺麗な世界に向かい合う。社内ではそのような社員が多いし、私たちもjopusを通じて、そのような外国人求職者にエールを送りたいと願っている。
それもこれもロマンスの定めなら 悪くないよな