ゴーリストブログ

ゴーリスト人事部のブログです。会社の雰囲気・社風や制度など、ゴーリストの情報を発信していきます。

たとえば不揃いの林檎のような就活生であっても

憂鬱そうに梅雨を歩く就活生を眺めて、一年前の自分を思い出した。

外国人・女性・文系・一浪・院生という最強に就職できない組み合わせで、見事に大手に落ちまくっていた日々。そしてある日、「ああ、自分はまるで不揃いの林檎のようだ」と思った。味も栄養も林檎の仲間たちと変わらないのに、見た目は不揃いなだけで、深夜の青果売り場で残り物になってしまい、「表示価格より半額!」という真っ赤なシールが貼られ、焦りながら誰かが拾っていただくことをひたすら待ち続ける。
いや、不揃いすぎて、そもそも青果売り場に行く権利がないかもしれない。

f:id:nagabayashi:20190613165045p:plainf:id:nagabayashi:20190613164614p:plain

日本語歴8年、東京歴4年、社会人歴2ヶ月。初めて東京のスーパーに行った時はけっこう驚いた。野菜が綺麗すぎる。果物も綺麗すぎる。でも野菜高っ!果物も高っ!よく見ると、まるで工場の生産ラインで作られたように、大きさも形も色も完璧に揃っていて、箱や袋にきちんと包まれている。しかし、野菜や果物って、もともとは大きさも形も色もバラバラで、泥まみれの生き物ではないか。そして、規格に当てはまらない野菜はどこに行ったのだろう。缶詰めにするか。レトルトにするか。それとも捨てられるのか。味も栄養も同じなのに。考えたらなんとなく悲しくなってしまった。

それに対して、中国語では「歪瓜裂枣」「虫桃烂李」などの熟語がある。不細工かつ不揃いで、虫跡がある果物の方が美味しいと意味する。不揃いの果物は人の手の加わっていないように見えるし、虫跡や泥が付いている果物は新鮮そうなので、地元民はみんな不揃いの果物を好んでいる。地元の青果売り場も日本とは違う。不揃いな野菜や果物は山積していて、みんなが自己責任でお気に入りの野菜や果物を選ぶ。サイズ色々だから、個数ではなく重量で会計する。

f:id:nagabayashi:20190613165533p:plain

かつての私は、缶詰めやレトルトにされないように、普通にスーパーの野菜売り場で売られるように、なんとなく頑張ってきた。みんな「規格品」という生き方をしているらしいので、思い切って「不揃い」と自ら名乗る勇気はなかった。でも就活が進めば進むほど、自分の不揃い加減に気付き、「それでもええやん!」と思い始めた。「不揃い」は「訳あり」ではなく、野菜や果物、そして生き物の一番自然な姿である。日本の就活における、「不揃い」が受け入れられないという考え方こそおかしいではないか。

そんな私は去年の夏に「アウトロー採用」という一風変わった就職活動に参加し、ゴーリストに入社した。入社して一ヶ月目にすぐMVPを取って、社長さんと銀座の寿司屋で飲んでいて、「役員面接の時、私に対する第一印象はどうでしたか?」と聞いたら、「そりゃ大手に落ちるわーと思ってた。堂々としていて、質問も中々鋭くて、「御社大好き!御社は第一志望です!!!」とは全然見えへんので。だからぜひ採用したいと。」

そうだ。たとえば不揃いの林檎のような就活生であっても、居場所はきっと、探せばあるのだ。(ナガバヤシ)

f:id:nagabayashi:20190613164348p:plain